DIYでお部屋の塗装をする際に、カベを塗ろうと思い立ったは良いけれど
- どんな塗料を使えば良いのかわからない
- 油性と水性はどうちがうの?
- 室内のカベを塗るのにオススメの塗料は?
こういった疑問を持たれてはいないでしょうか。
ホームセンターで塗料の棚を見ると数多くの塗料がならんでいるためどれを選べば良いのかわからなくなります。
私は塗装歴25年の塗装職人です。
長年つちかった塗装知識でそんなお悩みを解消いたします。
この記事では室内のカベを塗装するために必要な塗料をご紹介します。
室内で使用する塗料の注意点
室内で塗装をおこなう場合一番注意しなければならないのは水性塗料を使用することと換気です。
なぜなら部屋全体の天井と壁に油性塗料を塗装して換気をせずにいると、油性塗料から揮発したシンナーが部屋に充満し最悪の場合有機溶剤中毒や酸欠で死に至るなんてことにもなりかねません。
実際過去に薬品工場内の窓がない部屋で溶剤の強い油性塗料を使用していて、有機溶剤用の防毒マスクを着けていたにもかかわらずシンナーで酔ったことがあります。
少量の使用なら問題ないですが、部屋全体を塗装する場合などは水性塗料を使用しましょう。
塗料の種類:水性塗料と油性塗料
塗料の材質には数多くの種類がありますが大きく分けると、水性塗料と油性塗料の2種類に分類されます。
水性塗料
水性塗料は水溶性塗料のことで希釈も水でおこないます。
塗料本来のニオイはしますがシンナーが含まれていませんので中毒になることもなく安全性は高いと言えます。
油性塗料
油性塗料は溶剤塗料とも言い、一般的にシンナーで希釈することが多いのでニオイはキツめになり多量の揮発ガスを吸うと中毒を引き起こしますので注意が必要です。
もちろん塗料の材質や系統はそれぞれ木の枝のように様々な系統に細分化されるので全てをご紹介するのは今回は割愛します
室内に使用するなら水性ケンエース
室内でカベを塗装するのでしたらオススメは日本ペイントの水性ケンエースです。
私自身仕事で何度も使用していますしその使いやすさは確かなものです。
メーカーである日本ペイントの仕様書に記載されている特徴は
環境性能: 水性化により、VOC1%以下、F☆☆☆☆を実現。室内でも安心してお使いいただけます。
仕上がり: 落ち着きのあるつや消し仕上げです。
汚染除去性: 塗膜は硬度と緻密性を有しており、付着した汚れを容易に拭き取れます。
付着力・透湿性: 付着性にすぐれ、透湿性も有しています。
隠ぺい性: 従来より高い隠ぺい性(とまり)を実現しました。
水性なのにヤニ止め効果: 水性塗料では最高レベルのヤニ止め効果があり、軽微なヤニであれば止めることができます。
日本ペイント 水性ケンエース製品特長より引用
とあります。
VOCとは、揮発性有機化合物のことで一般的に言う有機溶剤のことだと思っていただいて結構です。
F☆☆☆☆とは、JIS・JASがホルムアルデヒドの放散量によって定めた等級の最上位。
つまり揮発するシンナーも少なくシックハウスに対する安全性が高いということです。
この塗料にはヤニ止め効果もありますがあまりにヤニの多い下地や吸い込みの多い下地にはヤニ止めシーラーを先に下塗りしてから水性ケンエースを2回塗りした方がいいでしょう。
他にも大日本塗料のノボクリーンなどもありますがメーカーが違うだけで性能などはそれほど違いはないかと思います。
私は普段から仕事で使っているので、使い慣れている水性ケンエースをオススメします。
塗料の希釈
塗料を使用する際、塗りやすい濃さに水やシンナーで薄めることを希釈と言います。
水性塗料なら希釈は水を使用しますが、油性塗料の場合はシンナーを使用します。ただし塗料の成分によってそれぞれ専用の希釈用シンナーがありますので注意が必要です。
たとえばエポキシ系の塗料ならエポキシシンナー、ウレタン系塗料ならウレタンシンナーなどです。
塗料にはそれぞれ希釈率というものがあり、塗料の重量に対して何%の水やシンナーを混ぜるのかという割合です。
中には希釈せずにそのまま使用する塗料もあります。
仕様書によりますと水性ケンエースの場合2%〜8%の水を入れると表記してありますが、長年の経験上10%程度の水を入れた方が塗りやすくなります。
つまり1kgの塗料に対して100gの水を入れるということです。
希釈の割合というのは下地の吸い込み具合や仕上げの色、塗装時の気温や湿度にもよりますので、そのつど微調整をする必要があります。
まとめ
室内でカベの塗装をおこなうなら水性ケンエースがオススメ。
クロスの吸い込みが激しいようなら吸い込み止めに水性シーラーを塗って、乾いてから水性ケンエースを塗りましょう。
希釈は水で、まずは仕様書通りの希釈率で薄めてみて塗りにくいようなら少量の水を混ぜてやるのが良いです。