外壁の塗り替えに最適な時期が分からないとお悩みではないですか?
- 何年ごとに塗り替えたらいいの?
- 色あせしてきたように感じるけど、自分では判断できない……
- 塗り替えには大金がかかるからなるべく先のばしにしたい
そんな悩みを持つ方は多いです。
ですが、あまり先のばしにしすぎると外壁自体が痛んでしまったり、塗装では対処できない事態になってしまうこともあります。
そこで、外壁が痛まない程度になるべく先のばししつつ、最適なタイミングで塗り替えを行うというのが一番コスパがいいと考えますよね。
本記事では外壁の塗り替えに適した時期や季節などをさまざまな視点で解説し、外壁塗装を長持ちさせる方法や、塗り替えを先のばしにすることの危険性など、事例をまじえてご紹介しています。
この記事を読めば分かること
- 外壁を塗り替える最適な時期
- 外壁を長持ちさせる方法
- 手遅れになったら起こること
- 塗り替えのタイミングを逃さず、優良業者に依頼する方法
とはいえ、自分で調べたり判断したりというのがわからないという方はプロの目で外壁の状態を診断してもらうことが重要です。
人間の身体でたとえると、自覚症状はなくても健康診断をうけ自分の身体の状態を知ることが健康を維持するポイントであるようなもの。
外壁診断は無料でできますし、見積もりをもらったからといって工事を強要されることはありません。
無料見積もりはこちらから
大切なお家を守るため、取り返しの付かない事態になる前に信頼できるプロの診断を受け、最適な時期に塗り替えが出来るように知識を付けましょう。
プロフィール
私は現役の塗装職人として25年間多くの外壁塗装を経験し、1級建築塗装技能士の資格も持っています。
100を超える塗料に精通し、500棟を超える家の塗り替えをしてきました。
25年の経験と知識であなたのお悩みを解決するお手伝いが出来ればと思います。
もっと詳しく知りたい方は→プロフィール
外壁の塗り替え時期は何を目安にする?
まずは目安がわからないと何を基準に塗り替えの時期を判断すればいいかわかりませんよね?
塗り替え周期の年数を目安にするのか、使用している塗料を目安にするのか、すでに外壁に現れている症状を目安にするのか。
結論から言えばそれらを10年前後を目安に総合的に見て判断するということになります。
10年周期が塗り替えのタイミング?
一般的に塗装の塗り替え周期は10年ごとに塗り替えるのがいいと聞いたことはないですか?
これは塗膜の劣化時期や外観の変化、外壁に及ぼす影響を考えて10年を目安としたものです。
たとえば新築の場合、外壁部材のシェア70~80%をしめる窯業系サイディングには費用の安さからアクリル塗料が使われていることが多く、アクリル塗料の耐久年数は5~7年とされていますので10年保たずに劣化が始まると考えられます。
ですので10年周期に塗り替えを行うという考え方は妥当とも言えるでしょう。
窯業系(ようぎょうけい)サイディングとは、セメント系原料と繊維などの木質系原料を混合し成型したパネル型外壁ボード
比較的安価で重量も軽く、耐火性・デザイン性に優れているため現代の住宅建築の外壁に最も多く使用されている建材です。
とはいえ以前に耐用年数の長い塗料で塗り替えをしたことがあったり、すでにひび割れやコケなどの症状が現れている場合もありますので、外壁材・塗料・症状それぞれの塗り替え時期を見てみましょう。
塗料による塗り替え時期の違い
塗料には多くの種類がありそれぞれ耐用年数にも差があります。
新築の外壁部材にはアクリル塗料が使われていることが多く、以前塗り替えを行ったことがあるお宅の場合その時に使った塗料によって耐用年数が変わってきますので現在外壁に塗られている塗料を知ることが塗り替え時期の目安になります。
しかし、耐用年数はあくまでもメーカー側がだしている目安、施工時の下地処理や塗装方法、立地環境によっても大きく左右されるので注意が必要。
塗料の種類 | 耐用年数 | 備考 |
アクリル塗料 | 5~7年 | 主に新築部材に塗装されている |
ウレタン塗料 | 7~10年 | 低価格でリーズナブルな塗料 |
シリコン塗料 | 10~15年 | 価格と耐用年数のコスパがよく、現在主流の塗料 |
フッ素塗料 | 15~20年 | 近年、低価格化が進みコスパがよくなってきた |
ラジカル塗料 | 15~20年 | まだ普及率が低く、使用している業者が少ない |
無機塗料 | 10~20年 | 含有されている有機材によって耐用年数に差がある |
このように塗料によって耐用年数には大きな開きがあります。
たとえば15~20年保つとされるフッ素塗料を塗っているのに10年周期で塗り替えをしているなんてもったいないですよね?
現在塗られている塗料を知り、コスパのいい塗り替え時期を考えましょう。
外壁の症状による塗り替え時期のサイン
外壁は経年劣化や構造体の状態などで様々な症状が現れます。
それらの症状は放っておくと外壁そのものを傷める原因となるため早めの対処が必要です。
チョーキング
チョーキングとは塗膜が紫外線などで劣化し、保護性が失われ顔料が粉状になって表面に浮き出てくることによる現象です。
外壁を手や濡れウエスで撫でてみて、外壁に近い色でチョークの粉のようなものが付着したらチョーキングのサイン。
チョーキングが進むと保護性の失われた外壁に雨水が浸透しやすくなり外壁自体の劣化につながります。
タイル張りやコンクリート打ちっぱなしなど塗装を行わないタイプの外壁では、塗料の劣化によるチョーキングは起こりませんし、そもそも塗り替えの必要性が少ないです。
剥がれ
外壁から塗膜が剥がれたり、ふくらんでくることを言います。
原因は様々ですが多くの場合は塗り替え施工時の不備によるものが多いです。
- 外壁の高圧洗浄があまく汚れを落とし切れていない
- 水分や塗装が乾燥していない状態で塗装した
- サビ落としや足つけなどの下地処理不足
- 雨天や気温が低いなど、塗装に適さない天候で作業をした
もしくは以前塗り替えをしたときの塗膜が層間剥離を起こしている可能性も考えられます。
- 層間剥離(そうかんはくり)とは
- 塗膜は下地の上に、下塗り、中塗り、上塗りなど複数の層で構成されています。
それぞれの層の間(例えば下塗りと中塗りの間など)で密着不良や硬化速度の差異が起こったときに剥がれてくる現象を言います。
原因として考えられるのは足付けなどの下地処理不足や塗料同士の相性にもよります。
もしも塗り替え後2~5年でこのような現象が起こった場合は、塗り替えを行った施工業者に問い合わせをした方が良いでしょう。
クラック
外壁に起こるひび割れのことです。
幅0.3mm未満深さ4mm未満のクラックを「かみの毛ほどのひび割れ」という意味でヘアークラック、
幅0.3mm以上、深さ4mm以上のクラックを構造クラックと呼ぶ。
主にコンクリートやモルタル、ALC壁に起こりやすく、窯業系サイディングでは内部にしみ込んだ水分が凍結した際に体積を増してサイディングを割ってしまうこともあります。
構造クラックを放っておくと壁の内部にまで水分が浸透し、外壁自体を劣化させたり内部の鉄をサビさせたりします。
シーリングの劣化
サイディングやALC壁の目地に使用されているシーリングが劣化すると、割れや剥がれがおこり雨水が浸透しやすくなります。
本来はゴムのように伸縮することでサイディングの膨張収縮に対応して、雨水の浸入を防ぐのですが、劣化によって固くなってしまい、伸縮性が失われひび割れやはがれを引き起こし、ひどいときはカラカラのビーフジャーキーのようになっている現場もよく見かけます。
サビ(錆び)
サビについてはいまさら説明するまでもないですが、金属が空気や水分によって酸化して発生する腐食のことです。
外壁のサビは金属系サイディングによく見られ、海が近い環境だと塩害によってサビが発生しやすくなります。
金属系サイディング以外でも、換気扇フードや雨樋の止め金具などがサビてきて外壁にも影響を及ぼす「もらいサビ」がみられることも。
ちなみに一般的にはサビにくいとされているアルミサッシですが、潮風が吹く沿岸地域では「白サビ」が発生します。
藻やコケ
藻やコケは山が近かったり田んぼが近くにあるなど湿気が多い地域の北面に多く発生しやすいです。
外壁のコケを放置すると、コケがどんどん根を張りその根が外壁を浸食して水分をしみ込ませやすくしたり、外壁材の内部で根が膨張し外壁を割ってしまうこともあります。
コケ自体の保水力が高いため、次々と繁殖範囲を広げ外壁を劣化させることにつながるため早めの対処が必要。
炭化層の減少
焼板外壁の最大のメリットは、炭化層が残っているところは木材の腐食が進まずメンテナンスの必要性が少ないというものです。
ですが長期間にわたり風雨や紫外線があたることによって炭化層が減少していき、劣化が進行していきます。
そうなる前に木材保護塗料を塗装することで劣化の進行を抑え防腐防虫防カビ効果を高める必要があります。
外壁材による塗り替え時期の違い
外壁の材質によってそれぞれ特徴が違うため、塗り替え時期の目安になる症状も変わってきます。
外壁の材質 | 現れやすい症状と特徴 |
窯業系サイディング | チョーキング、剥がれ、シーリングの劣化 凍害による割れの可能性 素材自体に防水性がなく、水分に弱い |
金属系サイディング | チョーキング、剥がれ、シーリングの劣化 塩害によるサビの発生 |
モルタル | チョーキング、剥がれ、クラック、コケ クラックが発生しやすい |
ALC | チョーキング、剥がれ、クラック、シーリングの劣化、コケ クラックが発生しやすい |
焼板木材 | 炭化層の減少、色あせ 焼板が反ってくる 木材の腐食、虫食い |
外壁の塗り替えに適した季節は?
結論から言うと【冬以外ならいつでも良い】ということになります。
それぞれの季節によってメリットデメリットはありますが、冬以外であれば【塗装に適した季節】と考えて支障はないでしょう。
とはいえそれでは外壁塗装におけるベストシーズンが分かりませんので、春夏秋冬それぞれの季節で塗装におけるメリットデメリットを見ていきましょう。
季節 | 季節によるメリット、デメリット |
春(3~6月) | メリット ・日中の平均気温が10℃をこえ、あたたかい日が多いため塗装に適している デメリット ・梅雨の時期には雨が増え湿度も高くなるため塗装の際には注意が必要 |
夏(7~9月) | メリット ・晴れの日が多く気温も高いため塗料の乾燥が早い デメリット ・塗料の乾燥と硬化が早すぎるため、広い面積を塗装する場合塗り継ぎが発生しやすい ・突然のにわか雨(近年ではゲリラ豪雨)に注意が必要 |
秋(10~11月) | メリット ・日差しも弱まり涼しくなってくるため塗装に適した日が多い デメリット ・秋雨に注意、後半になると夜露が降ってきだすので夕方以降は屋根を仕上げない方がいい |
冬(12~2月) | メリット ・冬に塗装を依頼するお客様が少ない閑散期なので、業者に受けてもらいやすい デメリット ・平均気温が低く塗料の乾燥や硬化がしにくい ・雪が多い地域ではそもそも仕事にならない ・塗装に適した日が少ないので工事期間が長くなりがち |
春か秋がベストシーズン
塗装のベストシーズンは4~5月か10~11月あたりが最適です。
春の4月5月は暖かい日が多く春風が吹くので塗装の乾きも良く、梅雨に入るまでが最適
秋の10月11月も夏の暑さと秋の長雨がおさまり、涼しくなって空気が乾燥してきた頃が最適です。
チェックポイント
注意点として、春と秋は塗装のベストシーズンであるために業者側からすればお客様からの受注も多く忙しい時期になります。
塗装業者が忙しいということは、足場仮設をはじめ関連する他の業種も忙しくなるということ
そのため工事をしてもらいたい時期の半年前から塗装業者の選定を行い、見積もりや塗料、施工方法の打ち合わせを経て、2~3ヶ月前には工事を依頼しておく方がいいでしょう。
外壁塗装を避けるべき気候条件
外壁に限らず、塗装を行うべきではない気候条件があります。
それが、気温5℃以下、湿度85%以上の日です。
「絶対に塗装できない」というわけではありませんが、避けた方が無難でしょう。
なぜなら気温5℃以下では2液性の塗料が硬化するために必要な気温にみたないからです。
つまり気温5℃以下では2液性塗料が固まらないということになります。
ちなみに個人経営の一人親方で、その日に混ぜたはいいが使い切れなかった2液性塗料を、密封して冷蔵庫で保管し次の日に使っているという話を聞いたことがあります。
あまり褒められた話ではないですが、職人の知恵といった考えなのでしょうね
そして湿度85%以上の日は単純に乾きにくいということです。
塗料によって水性には水が、溶剤性にはシンナーが含まれていて、それらが蒸発することで乾燥します。
湿度が高い日は蒸発に時間がかかるため塗装に適していないと判断されます。
「雨の日の洗濯物」が乾きにくいのと同じようなものですね。
外壁塗装を長持ちさせる方法
定期的にメンテナンスを行う
外壁塗装に限らずどんなものでも長持ちさせるためのメンテナンスは重要です。
少しずつ外壁にたまっていくホコリやカビを掃除するだけでもメンテナンスになり外壁を長持ちさせることにつながり、その結果塗り替え時期を先のばしにできます。
掃除の方法は、車用の柔らかいブラシやスポンジで水を流しながら軽くこすり洗いをするか、高圧洗浄機で洗い流します。
最近では高圧洗浄機も家庭用にリーズナブルなものが出てきていますので、外壁のメンテナンスや車の洗浄にも使える高圧洗浄機は買っておいて損はないでしょう。
家庭用高圧洗浄機で一番有名なのはケルヒャーですが、形や高圧洗浄の構造はほぼ同じでありながら価格の安さと水圧の強さからヒダカ製高圧洗浄機をオススメします。
耐候性、低汚染性にすぐれた塗料を選ぶ
塗料の機能性にもいろいろありまして、耐候性、低汚染性、遮熱性、遮音性、防カビ性、耐衝撃性などなど……
中でも外壁を長持ちさせるといった点で求められる機能は耐候性と低汚染性です。
塗料自体の材質(シリコン系やフッ素系など)によっても劣化がはじまる年数は変わってきます。
耐候性があり劣化しにくい塗料は価格も高くなりがちですが、次の塗り替えまでの間隔は長い方が結果的にお得になると考えられます。
塗装業者に点検、塗装してもらう
塗装業者に見積もりの依頼をすれば外壁の劣化状況を”無料”で確認してもらうことができます。
なぜ無料かというと、そもそも塗装業者はお客様に訪問営業をかけると悪徳業者と疑われかねないので、お客様との出会いの場が少ないことに悩んでいます。
そこで見積もりを無料にしてお客様の感じる見積もりへのハードルを下げている塗装業者が多いのです。
しかしいかに見積もりが無料でも悪徳業者に依頼をしていたら、まだ塗り替えの必要がない外壁でも塗り替えをすすめられそうですよね?
外壁点検も塗り替えも、優良業者に依頼することが外壁を長持ちさせるには大切な要素です。
どんなに良い塗料を選び高い塗装代金を支払っても、下地処理や施工方法に問題があればせっかくの塗り替えが台無しになってしまいます。
そこで悪徳業者と優良業者を見極めて、優良業者に依頼できるよう別記事で解説しました。
塗り替えを先のばしにすると起こる問題
見た目が悪くなる
外壁は放っておくと少しずつ美観がそこなわれていきます。
- 塗膜の色あせ
- 藻、コケ、カビ、の発生
- クラック
- 塗膜のふくれ、剥がれ
これらは外壁の洗浄だけでは抑えきれない見た目の劣化ですね。
美観をそこなうと実際の築年数よりも古い家のような印象を受けることになります。
外壁自体が劣化する
塗膜には外壁だけでなく家全体を保護するという大切な役割があります。
特に窯業系サイディングは水に弱く、長期にわたり内部に水分がしみ込んでいくとサイディング自体がもろくなったり内部でコケが発生するのです。
他にもモルタル壁のクラックから雨水がしみ込み内部の鉄をサビさせた結果、鉄がふくらみ壁のクラックをさらに大きくします。
雨漏りが発生する
屋根の塗装が劣化して、屋根材自体がもろくなってひび割れたり、穴が空くと雨漏りの原因になります。
外壁のクラックなどから雨水が家の中にまで浸入して、雨漏りを引き起こすこともあります。
事例:遅すぎた見積もり依頼
とあるアパートのオーナーさんから塗り替えの依頼を受けました。
見積もりの現場調査に行くと、そこにはマンガやドラマに出てくるような典型的なボロアパートがありました。
調査を進めるうちに分かったことは、「すでに塗り替えでなんとかできる時期は過ぎてしまっている」というもの。
屋根の鉄板にはいくつも穴があき、外階段の鉄骨はボロボロにサビてしまって危険なくらいでした。
結局、外壁の塗り替えにプラスして屋根の張り替えと外階段の撤去・新設に多額の修繕費がかかることになってしまいました。
まとめ
本記事では、25年の塗装経験を元に様々な角度から
- 塗り替え時期の目安
- 塗り替えに適した季節
- 外壁を長持ちさせる方法
- 先のばしにすると起こる問題
これらについて解説してきました。
外壁の劣化や鉄部のサビはジワジワと浸食していくので、ついつい先のばしにして「気づいたときにはすでに手遅れ」なんてことになってしまいます。
この記事を読んだ今が良い機会ととらえて、実際に塗り替え工事まではせずとも見積もりと外壁診断は無料でできますので下のリンクからノーリスクで優良業者に依頼してみましょう。
大事なことは早めに診断を行うこと。
その結果を見て最適な塗り替えのタイミングを検討してください。